校長室より

■ 校長挨拶

品川区立荏原第一中学校
校長  黒田 佳昌
令和5年4月1日

 

荏原第一中学校のめざす教育

 

 前任の押野 隆一校長先生の後任として拝命されました校長の黒田 佳昌です。
区内の東海中学校から参りました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 伝統ある荏原第一中学校は、「文武両道・凡事徹底」をモットーに子どもたちが学校や地域で活躍していると聞いています。とは言っても、この3年間を振り返ると新型コロナウイルス感染症は、社会全体や学校教育、私たちの生活に大きな影響を与えました。しかし、ようやく明るい兆しが見えようとしています。

 子どもたちが社会で活躍する10年後には、生産年齢人口の減少やグローバル化の進展、技術革新により、社会や職業の在り方そのものが大きく変化しています。学校教育は、そのような社会的変化の中でも、子どもたちに意欲をもって自立した人間として、自ら考え、判断し、他者と協働しながら目的を遂行する行動力を身に付けることができるように教育する責任があります。教師は10年後の社会を見据えて授業をはじめとする教育活動に取り組まなければなりません。

 学校教育を進めていく上で3つの柱を大切にしていきます。1つ目に「よりよい学校教育を通じてよりよい社会をつくる」という目標を学校と社会とが共有し、学校が社会との連携・協働によって学校教育の充実を図っていきます。つまり、本区の取り組んでいる「品川コミュニティスクール」です。学校は、地域(保護者を含む)の方々のものです。地域の子どもたちにどのように成長してほしいか、どんな力をつけてほしいか、どんな学校になってほしいかなど、連携・協働を深めながら推進していきたいと考えています。また、子どもたちには、学校の中で仲間や教師とのかかわりにとどまらず、コミュニティスクールとしての取組を通して地域の方々や保護者、各種事業所など、様々な人々とのかかわりの中で社会性やコミュニケーション力の向上、表現力の育成、多様性や異文化理解など、幅広い視野に立ち、共生社会の実現を目指してほしいと思っています。本校は、これからも「地域とともにある学校づくり」を目指します。

 2つ目は、育成を目指す「資質・能力」の育成をめざします。です。学習指導要領では、社会や生活で生きて働く「知識及び技能」、未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力等」、学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性等」の3つの力(3つの力をバランスよく育み、社会に出てからも学校で学んだことを生かせることが重要)が示されました。すべての教科等でこのような資質・能力を育むため、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業を展開できるようにしていきます。具体的には、
「生徒が見通しをもって、粘り強く取り組む力が身に付く授業」
「生徒が自らの学びを振り返り、次の学びや生活に生かす力を育む授業」
「生徒が友達や教師と共に考え、学び、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業」「生徒が一つ一つの知識がつながり、わかった! おもしろい!と思える授業」
を目指した授業改善をしていきましょう。

 3つ目には、「自己肯定感や自己有用感」の育成です。国際調査で我が国の青少年は、先進国の中でも自己肯定感が低い結果が出ています。学校と地域が一体となって、子どもたち一人一人のよさや長所を見つけ、みんなで声をかけ、子どもが自身のよさや長所を認め、自信が持てるようにしていきます。学校では、各授業や学校行事など、日頃の学校生活を通して生徒が主体的に活動する場面を作り、達成感や成就感を味わわせ自己肯定感や自己有用感を育んでいきます。

 そして生徒を一人の人間として接し、生徒と一緒に成長し合う教師。「一人一人違っていい」という、違いを認め合う対話のなかで、生徒同士が成長し合えるような学級、学年、学校づくりをしていきます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

更新日:2023年06月16日 14:05:50